1−1−2 金融商品取引法の目的と用語の定義
- 金融商品取引法の目的
- 金融商品取引法で使用する用語の定義
1.金融商品取引法の目的
金融商品取引法の第1条は、金融商品取引法の目的を次のように定めています。
この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。
| 目的 | 国民経済の健全な発展及び投資者の保護 | ||
| ⬆️ | |||
| 意義 | 有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正に | 有価証券の流通を円滑に | 資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成 |
| ⬆️ | |||
| 手段 | 企業内容等の開示の制度を整備 | 金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め | 金融商品取引所の適切な運営を確保 |
最終的な目的は「国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資すること」で、そのための手段やその意義をそれぞれ3点掲げています。
2.金融商品取引法で使用する用語の定義
金融商品取引法の第2条では、この法律で使用する用語を定義しています。以下のように多数の用語が定義されていますが、監査の観点で重要なのは第1項から第4項の用語になります。
なお、第20項にデリバティブ取引の定義があります。デリバティブ取引は株式や社債などの有価証券とともに金融商品取引法の規制対象となっていますが、デリバティブ取引には発行者がいないため、企業内容開示制度の対象になっていません。
また、第24項の金融商品の定義は、あくまでもこの法律上でデリバティブ取引を定義するための法技術的な概念であり、ここで定義された「金融商品」に金融商品取引法が適用されるわけではないことに留意が必要です(ややこしいですね・・)。
| 第2条の項数 | 用語 |
|---|---|
| 第1項 | 有価証券 |
| 第2項 | みなし有価証券 |
| 第3項 | 有価証券の募集 |
| 第4項 | 有価証券の売出し |
| 第5項 | 発行者 |
| 第6項 | 引受人 |
| 第7項 | 有価証券届出書 |
| 第8項 | 金融商品取引業 |
| 第9項 | 金融商品取引業者 |
| 第10項 | 目論見書 |
| 第11項 | 金融商品仲介業 |
| 第12項 | 金融商品仲介業者 |
| 第13項 | 認可金融商品取引業協会 |
| 第14項 | 金融商品市場 |
| 第15項 | 金融商品会員制法人 |
| 第16項 | 金融商品取引所 |
| 第17項 | 取引所金融商品市場 |
| 第18項 | 金融商品取引所持株会社 |
| 第19項 | 取引参加者 |
| 第20項 | デリバティブ取引 |
| 第21項 | 市場デリバティブ取引 |
| 第22項 | 店頭デリバティブ取引 |
| 第23項 | 外国市場デリバティブ取引 |
| 第24項 | 金融商品 |
| 第25項 | 金融指標 |
| 第26項 | 外国金融商品取引所 |
| 第27項 | 有価証券等清算取次ぎ |
| 第28項 | 金融商品債務引受業 |
| 第29項 | 金融商品取引清算機関 |
| 第30項 | 証券金融会社 |
| 第31項 | 特定投資家 |
| 第32項 | 特定取引所金融商品市場 |
| 第33項 | 特定上場有価証券 |
| 第34項 | 信用格付 |
| 第35項 | 信用格付業 |
| 第36項 | 信用格付業者 |
| 第37項 | 商品市場開設金融商品取引所 |
| 第38項 | 商品取引所 |
| 第39項 | 商品取引所持株会社 |
| 第40項 | 特定金融指標 |
| 第41項 | 高速取引行為 |
| 第42項 | 高速取引行為者 |





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