1−2−3 流通市場における開示
- 継続開示義務
- 有価証券報告書
- 半期報告書・四半期報告書
- 内部統制報告書
- 臨時報告書
- 適時開示情報、決算短信
1.継続開示義務
流通市場における開示を継続開示と呼びます。有価証券報告書、半期報告書、四半期報告書、内部統制報告書、臨時報告書などから構成されています。継続開示義務を負う発行者は、これらの書類を作成して内閣総理大臣(財務局)に提出する必要があります。
継続開示義務は、(1)上場有価証券の発行者、(2)店頭売買有価証券の発行者、(3)募集または売出しを行った有価証券の発行者、(4)いわゆる外形基準を満たす有価証券の発行者が負うことになります。
(1)上場有価証券の発行者
上場有価証券の発行者は、継続開示義務を負います(24条1項1号)。
(2)店頭売買有価証券の発行者
店頭売買有価証券は、認可協会(認可金融商品取引業協会)が開設した店頭売買有価証券市場で売買されるために登録された有価証券をいいます(2条8項10号ハ、67条の11第1項)。当該有価証券の発行者は継続開示義務を負います(24条1項2号)。過去、店頭売買有価証券市場(ジャスダック;JASDAQ)が存在していましたが、2004年に免許の交付を受け証券取引所に転換したことから、当該市場で売買されていた有価証券は(1)の上場有価証券となり、現時点では店頭売買有価証券は存在していません。
(3)募集または売出しを行った有価証券の発行者
募集または売出しを行った有価証券の発行者(4条1項本文)およびその他の条件に合致する発行者(同2項本文、同3項本文等)は、継続開示義務を負います(24条1項3号)。募集または売出し等により多数の投資者に取得された有価証券は投資者間で継続的に売買される可能性があるためです。
(4)いわゆる外形基準を満たす有価証券の発行者
一定数以上(特定投資家を除く)の所有者がいる一定種類の有価証券の発行者は、継続開示義務を負います(24条1項4号)。条件となる所有者数と有価証券の種類は政令で定められています。たとえば、通常の株式(株券)の場合には、当該事業年度又は当該事業年度の開始の日前4年以内に開始した事業年度のいずれかの末日におけるその所有者の数が1,000以上、とされています。
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